Amtrak「Coast Starlight」でサンフランシスコを目指す - Photomission R

Amtrak「Coast Starlight」でサンフランシスコを目指す

2012年12月 6日 | 鉄道
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Amtrak「Coast Starlight」でサンフランシスコを目指す

カナダにほど近いシアトルから西海岸を横断し、ロサンゼルスまでを結ぶ長距離列車がアムトラックの運行する「コーストスターライト」です。
寝台車と座席車が一つの列車内に混在し、さらにラウンジカーと食堂車もついているという、どこかかつての日本の長距離急行の匂いもするこの列車で、シアトル〜サンフランシスコの23時間30分を旅してきました。

列車の予約はAmtrakのサイトからクレジットカードを使って予約することが可能です。日本の住所や電話番号を英語で入力するのが若干面倒な感じですが、特殊なカードを使っていなければ、中学レベルの英語が分かれば難なくクリア出来ると思われます。
アムトラックは飛行機同様、値段は埋まり具合により変動しますので、出来るだけ早く予約した方がお得です。自分の場合はシアトル〜エメリビル経由サンフランシスコで$100くらいでした。

Seattle Transit Tunnel

泊まっていたシアトル・ウェストレイクのホテルからはSoundTransitのLINKライトレールでInt'l District/China Town駅で下車。基本的にシアトル中心街は地下を走りますが、このトンネルをライトレールとバスと共有しているのはユニークです。

Seattle King Station

アムトラックのキングステーションは工事中。そのため、橋から降りた所にある臨時の出入り口から駅舎内に入ります。

チケットキオスクで予約した際に印刷した確認書のバーコードを読み取らせると、飛行機のような大きなチケットが印刷されて出てきます。それを持って改札口付近のチェックインカウンターでチェックインを受けて、クラスごとにホームへ入場していきます。なお、改札の時点では座席指定は行われず、乗り込む前に各車両担当の車掌から指定を受ける形になります

アムトラックは手荷物用の荷物車編成中に持っており、乗車時に荷物を飛行機のように預けることが出来ますが、普通のスーツケース程度であれば普通に網棚に上げたり、荷物置き場に置くことが可能でした。

Coast Starlight

シアトルキングステーションに入線したコーストスターライト。機関車はP42型電気式ディーゼル機関車「ジェネシス」です。

Coast Starlight

客車はスーパーライナーIIと呼ばれるオール二階建て、ステンレスの車両です。外観は寝台、座席車、食堂車ともにほぼ同じで、編成中央に大きな窓のラウンジカーが繋がれています。食堂車の隣には寝台客専用のラウンジで、シカゴ〜ロサンゼルスでサンタフェ鉄道が運行していた「エル・キャピタン」から転用された「パシフィックパーラーカー」が繋がれており、ここだけ明らかに車両断面が違います。パシフィックパーラーカーはコーストスターライトにのみ連結されており、ワインテイスティングなどが行われるようです。

Seattle King Station

奥のホームには定期運用されていない1階建て(シングルレベル)の客車が留置されていました。奥の球場はセーフコ・フィールドです。

Boeing Field - Coast Starlight Scenery

9時30分、列車は厚い雲に覆われたシアトルを出発。途中で先日行ったボーイングフィールドを通り、浜松のAWACSの姿を再び見つけました。次に会うのは東海道線の車窓越しになるのでしょうか。

Coast Starlight Observation Car

この車両の担当は女性車掌のLindaさん。食堂車の予約の仕方を聞くにも聞き取れないであたふたしていると...
「車内ツアーしてあげるからついて来な!」という感じで、まるで英語の先生の如くパワフルに?ドアの開け方からラウンジカーや売店、食堂車まで丁寧に案内してくれました。わざわざ得体のしれないアジアンのためにここまで親身に教えていただき感謝です。

Coast Starlight Scenery Coast Starlight Scenery

コーストスターライトは名前に似合わず、海岸を走るのは今回は乗車しないロス付近のみ。その代わり、シアトル〜ポートランドは入江沿いやコロンビア川沿いを走るので、美しいウォーターフロントの風景を楽しめます。

Angus Steak Burger

昼食と夕食は、近くなると食堂車のクルーが座席車へ予約をとりに来ます。昼食はAngus Steak Burgarをオーダーしましたが、肉の質も焼き方もかなり良好な逸品でした!多分、アメリカで食べたバーガーの中では一番美味しかったような気がします。

Portland Union Station Portland Lightrail

列車はにポートランドへ到着。ここでは1時間の長時間停車となるため、列車から降りてみることに。すると、先ほどのLindaさんがやって来て、「ついて来て」とのこと。早速頭上を指差し、「写真撮りな!」と上をみると、ポートランド駅舎の時計塔に「GO BY TRAIN」の文字を発見!アメリカの旅客鉄道全盛期を彩っていたネオンサインと、歴史を重ねた時計塔に歴史を感じずにはいられませんでした。 その後は駅舎内に入り、「ここでお土産買えるよ!必ず14時半には戻ってね!」ということでP42のピンバッジを購入。駅舎の外にはライトレールの姿も見かけました。

Amtrak Cascade

ホームにはバンクーバー〜シアトル〜ユージンを結ぶ昼行列車のアムトラック・カスケードの車両も停車中。ヨーロッパのタルゴ型客車を使っており、ダブルデッカーのステンレス車が多いアムトラックの中では異色を放っている列車です。

Coast Starlight Coach Class Coast Starlight Scenery

ポートランド出発後は可動橋を通過し、列車は長閑な田園風景の中を走ります。途中、セイラム駅からは何と隣席に日本人が!群馬県の大学からアメリカへ語学留学で滞在しており、同じくサンフランシスコまで向かうとのことでした。後で聞いたら、Lindaさんが英語がろくに喋れない自分が不安だったので、ちょうど日本人が乗って来たから配慮した、とのこと。こちらもかなり気が楽になりました。

Amtrak Signature Steak

この日の夕食は、これも楽しみにしていた「Amtrak Signature Steak」をオーダー。アメリカに良くありがちな油だらけな味付けでもなく、肉は身の詰まったかなり高級な部類だったと思われます。アムトラックの食堂車はかなりレベルは高いことを実感しましたが、価格は25ドルほど。日本の北斗星のディナーメニューの価格を知っていると、ハッキリ言って破格です!

ここでちょっとした失敗談を。食堂車から出る時にクレカを渡し、サインする用紙にチップの金額を書く場所があったのですが、ここで勘違いをしてしまい「書いた金額も合わせてクレカから落ちる」と判断し、金額だけ書いて席を立ちました...が、よくよく考えると、チップの金額を記入したのはすでに引き落とし確定後の用紙であり、実際は現金をテーブルに置く必要があった訳です。慌てて食堂車に戻り、ウェイトレスさんに「すみません、チップ忘れました」と言って昼の分も含めて10ドルを渡しました。チップ文化とカード支払いに慣れていない日本人は陥りやすい?失敗だと思うので、カミングアウトさせていただきました。
追記:後日クレジットカード明細を確認した所、チップの分まで引き落とされていました。なお、テーブルにチップを置いたまま席を立ったのは寝台車の乗客(食事代は寝台料金に含まれているため、食堂車内での支払いは基本存在しない)だった模様。

Coast Starlight Coast Starlight

列車はこの日最後の長時間停車駅、クラマスフォールズ駅に到着。辺りは既に暗く、そしてかなり寒くなっていました。が、それにもめげずに夜汽車の雰囲気を醸し出すコーストスターライトを撮影。

ユージン〜クラマスフォールズ〜ダンスミュアは、カスケード山脈を超える路線として見所も満載らしいのですが、既に真っ暗で全く景色も見えず。そうしているうちに自然と眠ってしまいました。

Capital Corrider Capital Corrider

次の朝、気がついたのはサクラメント付近。ここでも1時間の長時間停車があります。隣にはサクラメント〜サンノゼを結ぶ昼行列車のキャピタル・コリドーが止まっています。

Coast Starlight Scenery

サクラメントを出発し、列車はサスーンシティー付近の湿地帯のような場所を走り、ほどなく朝日を拝みます。

Martinez

マーティネス駅にはユニオンパシフィックの蒸気機関車が静態保存されてました。

Coast Starlight Scenery

マーティネスを出ると、列車はカークィネス海峡に沿って走ります。

BART

リッチモンド駅でBARTの姿を見ると、いよいよ目指すサンフランシスコが近いことを実感します。

Coast Starlight Coast Starlight

エメリビル駅に到着。シアトルから旅してきたコーストスターライトともここでお別れです。ここまで面倒を見ていただいたLindaさんにはチップを渡して一緒に記念撮影をしてもらいました。「FBには上げないでね!」と言われたので写真は上げてません^^;

サンフランシスコ中心街へはAmtrakは乗り入れておらず、このエメリビルから連絡バスに乗ってサンフランシスコ・フェリービルディングへ向かいます。

Amtrak Thruway Bus

フェリービルディングに到着した連絡バス。これにてアムトラックの23時間30分に渡る長旅は終了です。

今回、海外では初めての長距離夜行列車乗車となりましたが、久々に鉄道趣味をして新しい刺激を受けた、と感じました。それはまるで、高校時代に初めて18きっぷで北海道に旅した時の感動に近いものがあるような...。
ある程度日本国内の気になる路線には乗り尽くし、自分の中では鉄道趣味で新たな刺激を受けることは無くなり、正直マンネリ化してきた、という感覚をここ最近感じていたのは事実です。また、日本の鉄道体系が「新幹線か通勤輸送か」の2つにフォーカスされ始め、それもまたマンネリ化に拍車をかけていたのかもしれません。
しかし、ここはアメリカ。見たこともないマッチョな機関車が巨大な客車を引き、見たこともない鉄道施設や広大で美しい風景を眺めながら、食堂車やラウンジカーでくつろぐ、という汽車旅の王道的なスタイルの中で、見るもの全てに刺激を受けてました。約24時間、携帯が繋がらなくてもあっと言う間だったと思います。

例え国内が楽しめなくても、海外に目を向ければまだまだ自分の求めるスタイルがあるという事実に、「鉄道趣味に、終点はない」と言うことをただ実感したのでした。

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