エアショーのトリを務めるのは、このネリス基地をホームに全米、そして世界中で飛行展示を行う米空軍公式の曲芸飛行チーム、サンダーバーズの演技となります。 使用機体にF-16を使い、パワーとエンターテイメント性を全面に押し出したサンダーバーズのショーは、日本でブルーインパルスを見慣れた身としてはただその迫力に驚かされるばかりでした。
このNellis Aviation Nationはサンダーバーズにとって年間スケジュールの一番最後に位置しており、ホームベースでの1年間の締め括りという意味合いもあります。そのため、ショーの前には隊員の家族が柵の中に招き入れられているシーンも見かけました。
整備員が整列しウォークダウンが始まります。ブルーと違い、パイロットはセンターから散らばるように機体へと向かいます。
今年は3番機のパイロットが女性でした。
各機体エンジンランナップを開始し、滑走路21Rへとタキシングしていきます。
タキシングから離陸までの間、地上では整備員が梯子や手歯止めを持ってパフォーマンスしています。
さて、この後離陸となるのですが、2日目はランウェイエンドで機体にトラブルが発生したらしく、4番機と6番機が急遽予備機に変更。それに伴い30分程ショーは中断されました。
メインで編隊飛行をする4機が離陸!2日目はトラブルのため4番機が複座型になっています。
4機で早速ダイヤモンドループを披露します。
5番機によるナイフエッジパス。機体裏側に描かれた、鳥の翼をモチーフにした模様を見せつけるように力強くパスします。
サンダーバーズの中でも有名な「カプリソパス」。お互いに背中を合わせた状態でパスします。5番機の機番が逆向きに描かれているのは、この演目やリフレクションパスで逆向きになるから、と言われています。
5番機によるローアンドスロー。角度を取りつつかなり遅い速度で進入してくるので、機体アップの写真を撮る分には狙い目の演目です。
エイトポイントロールで背中を見せる5番機。
パスインレビューと5カードループ。パスインレビューの際は「カメラを用意してね」というアナウンスが流れたものの、綺麗に映る角度は見事に逆光と残存スモークで撮影出来るレベルではなかったので、遠目に背中を撮影しました。
ソロ2機によるオポジングナイフエッジパス。ショーセンター付近で2機が腹を向け合う形で高速交差します。
ネリスらしい荒野の山バックにダイヤモンドループを決める4機とマキシマムGターンを行うソロ6番機。
6機隊形でのフォーメーションとなるデルタループとデルタロール。
6機によるデルタバースト。ブルーインパルスのサンライズと似た雰囲気ですが、こちらは音楽ととてもマッチしていてとても爽快な気分になりました!後で調べたら、BGMはKaty PerryのFireworkとのことでした。確かに花火に見えなくはないです(笑)
ボンブバーストで4機編隊が四方八方に離脱、その後は至近距離でF-16が文字通り「飛び回る」状態になります。
ソロ機によるリフレクションパス。今回は射程圏内でピッタリ合ってくれず、若干ずれてしまいました。
最後の演目となるデルタ・ブルー・アウト・ピッチ・トゥー・ランド。先ほどのデルタバーストのような形でブレイク後に、編隊飛行系の4機は1機ずつ、ソロ機はロールしつつもう1パスしてからランディングしていきます。
ランディングし、クルーの待つ駐機位置に戻る機体。2日目はエンジン停止前にスモークを吐くサービスも見せてくれました。
戦闘機を使用しているというだけあって、ともかくスピードとパワーが織り出す迫力に圧倒されるばかりでした。
サンダーバーズは一度ショーが始まると、演目間の空きが少なく全体的に大変テンポ良い進行に感心しました。
中には観客が4機の編隊飛行に注目中にこっそりソロ機を進入させて、アフターバーナー全開のパスで観客をびっくりさせるなど、ショーの最中の管制の上手さも注目すべき点だと思います。
音楽についてもU2やBon Jovi、セリーヌディオンといった洋楽の有名どころから映画音楽まで幅広く選曲し、うまく演技と曲の盛り上がりポイントが合うように編集されているなど、映画のワンシーンを作るかの如く計算されていたのが印象的でした。
やはりエンターテイメントでアメリカに勝る国はないと思いますが、それは徹底的に計算された拘りによる勝利なのかもしれません。